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新規対象疾患 2020年6月8日

1. PDE(α-aminoadipic semialdehyde dehydrogenase deficiency)の迅速、高精度診断支援

PDEはここではLys分解の特定のステップ, α-aminoadipic semialdehyde dehydrogenase (AASADH)が働くステップの障害(α‐アミノアジピン酸セミアルデヒド脱水素酵素欠損症、責任遺伝子ALDH7A1)を指します。α-アミノアジピン酸/α-ケトアジピン酸尿症という障害がありますが、その前のステップの障害です。昨年、コロラド大学から発表された本疾患の新しい指標物質が報告されました(PMID: 30663059)。この物質と新たに弊所で発見した新しい指標物質の両方を同時に調べますので、診断支援の感度、特異度が高いと自負しております。130疾患 F 3-2

コロラド大学からPDEの新しい指標物質が発表された時には弊所も構造を決めており、論文化しようとした矢先でしたが、彼らの論文は示唆に富むものでした。彼らはLC/MSを用いていますが、弊所ではGC/MSで、新たに同定した指標物質も加え、発表しました(#)。GC/MSを使うことで特異度、感度ともに高く、メタボローム解析としては迅速、低コストです。是非、日本でも生後、1-2ヶ月以内にPDEが診断され、治療が始まることを願っています。

# Identification of new biomarkers of pyridoxine-dependent epilepsy by GC/MS-based urine metabolomics. Kuhara T, Akiyama T, Ohse M, Koike T, Shibasaki J, Imai K, Cooper AJL. Anal Biochem. 2020 Apr 24:113739. doi: 10.1016/j.ab.2020.113739. Online ahead of print. PMID: 32339489 現在、最終ゲラ校正中

PNPO欠損症は未だ、弊所の対象疾患ではありません。しかし、弊所ではPDEが恐らく97-99%の確定度と推定されますので、PLPが有効でPDEが否定された場合にのみPNPO欠損症にフォーカスされればよいかと考えます。

2. Nit1 deficiency, Nit1 欠損症(グルタチオン修復酵素異常)

Nit1 is a metabolite repair enzyme that hydrolyzes deaminated glutathione.

Nitrilase-like protein 1 (Nit1) deficiency(130疾患リスト Q1

Familial Deep Cavitating State With a Glutathione Metabolism Defect

Nitrilase-like protein 1 (Nit1) deficiencyは昨年、最初の報告があった新しい疾患です。

お知らせ・6月1日更新もご覧いただけたら幸いです。

2019年12月発行の会社案内パンフレットもご覧いただけましたら幸いです。

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