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4. 産科・遺伝相談・羊水検査・出生前診断

羊水(Amniotic fluid、AF)の分析を再開しました

 従来、プロピオン酸血症とメチルマロン酸血症について、羊水の代謝物をGC/MS-メタボロミクスと安定同位体希釈法を用いて調べることで、精度の高い出生前診断(遺伝学的検査)を行ってきました。この検査を再開します。
 また、その以外の代謝異常についても、GC/MS-メタボロミクスと安定同位体希釈法を用いて、試験的に研究を再開します。羊水分析は原則として、医療機関の倫理委員会等で承認された症例について受け付けています。なお、この目的のために、尿を用いることはありません。
 羊水の分析にあたっては予め、お電話などでご連絡をお願いします。

お問い合わせください。この依頼は倫理委員会に諮る等の手続きが要ります。

新生児マススクリーニングなどに関心のある方は、次の項目もご覧下さい。

5. 小児神経科・神経内科・救急科・代謝科・一般内科・精神科

メタボローム検査で早期発見・早期治療へ!

小児期にてんかんや痙攣で受診する児に対し、数十年前から私どものメタボローム解析で先天性代謝異常症などを早期に発見し、いち早く個別化医療を実践している特別に先端的な大学病院があります。また、バルプロ酸などの抗てんかん薬で強い副作用が現れる児にメタボローム解析を行いますと、数十の先天性代謝異常のどれかを有する方であることが少なくありません。これらのお子さん一人一人の先天代謝異常に対応した治療に切り替えますと、これまでの症状が消失するだけでなく、本来の機能が回復されてまいります。このような病院を受診した児とそうでない児では10年、20年後に大きな差が生じることが少なくありません。子供たちの未来のために、早期にこの検査をご利用下さい。シトリン欠損症もメタボローム検査が最もスクリーニングに適しています。当研究所では既存の多種のバイオマーカーに加え、新規バイオマーカーを発見し、精度を向上させています。

てんかんの患者さんの中にそうでない人が紛れていることがあります
てんかんの患者さんのごく一部ですが、てんかんでなく、希少な疾患であるために診断がつきにくい病気をもつ人がいます。このような人には抗てんかん薬が有効でなく、ときに害を及ぼすことがあります。バルプロ酸もそのひとつです。すでに20年ほども前の1996年に発刊された“てんかん学の進歩”のなかで『バルプロ酸の代謝からみた副作用』を執筆しています。当時、提言したように、この場合の希少疾患は有機酸血症、尿素回路異常症、電子伝達系異常症など多岐にわたります。希少疾患にはそれぞれに異なる治療法がありますので、その人にあった治療、すなわち、個別化医療がほどこされるようになれば、てんかん類似の症状もおさまり、多くの場合で病状が改善します。現在、ごく一部の病院のみが当研究所へ、てんかん患者の中にこのような疾患を持つ人がいないか検査を依頼してきます。不運なことに、そのような検査を受けられなかった人の中に、後日、重篤な副作用が起きることが世界中で報告されています。全ての希少疾患を完璧に調べる方法は現在どこにもありませんが、多くの疾患のあるなしをかなり高い精度で、しかもきわめて低コストで調べることのできるメタボローム検査を一度受けておくことは決して無駄ではないように思います。検査で調べることのできる希少疾患は、有機酸分析からメタボローム解析に移行したことで、1996年当時より、病気の種類も格段に増え、検査の精度も大きく向上しています。

脳脊髄液(cerebrospinal fluidCSF)の分析を再開しました

 代謝異常の診断にあたっては多くの場合、最初に尿の代謝物を調べて、どの遺伝子に異常があるかを明らかにします。しかし、一部の代謝異常では、尿や血液より、脳脊髄液の代謝物を調べた方が、どの遺伝子に異常があるかをより明らかにできることがあります。また、脳脊髄液の代謝物を調べないとわからない代謝異常もあります。
 脳脊髄液の分析を再開します。現在、尿のGC/MS-メタボローム解析を行った場合に限り受け付けます。関心のある方、検査を希望される方はお問い合わせください。

日本疾患メタボローム解析研究所のGC/MSを用いる尿メタボローム解析(GC/MS-based urine metabolomics)の申込書に尿酸値異常と尿路結石症の項目を追加しました。低尿酸血症、高尿酸血症、尿路結石症の患者さんの早期診断を支援します。

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